HEAR JOY SPRING IN NY 〜初めてのニューヨーク〜 その3


線路は続くよどこまでも
 地下鉄は3日間共Fun Pass($4)という1日乗り放題のMetro Cardを利用しました。駅の改札口前に自動販売機があり、そこで買えます。クレジットカードもOKで領収書まで出ます。ホームから反対路線へ移動できない駅があるので、確認して改札口を通りました。困ったのはlocalが臨時でexpressになっていたり、日によって終日利用できない駅や、工事で路線が閉鎖など色んな変更があったこと。私が時差ボケで昼寝の間、夫はDakota Apartmentsを目指し、深く考えず地下鉄に乗りました。72nd St.で降りるつもりが止まらず、どんどん北へ。1駅過ぎ、2駅、3、4、5、6、、。車内はいっぱいでしたが、気付くと黄色人種はただ1人。あとはみな黒人。どこまで走り続けるか分からない恐怖はつのります。125th St.でようやく止まり、あわてて反対のホームに乗り換えたそうです。旅慣れた方なら、125th St.は日中ならばほぼ問題ないと御存じでしょう。でも、詳しい知識なしにいきなりHarlemへ連れて行かれるのは恐ろしいものです。初めての方は、貼紙や標識、アナウンス、それから他の乗客の乗り降りに注意を払っておきましょう。どっさり人が降りた時は、その後しばらく止まらないかもしれません。

I hit somebody...
 夫がキョーフの(?)乗車をしてる間、この私も恐怖を体験しました。自動車事故です。この旅行に出る前、英会話の練習に、旅行英会話CDを聞いていました。声優さんが芸達者で、“I feel like throwing up.”の時はほんとに吐きそうで、聞いていて気分悪くなるし、“I hit somebody.”は「轢いてしまった...(茫然自失)」で情景が浮かぶんです。で、その2文はすっかり頭にこびり付いていたところ、“I hit somebody.”の現場を目撃することになり、記憶に残っています。
 ホテルの部屋に居ると外から複数の悲鳴が聞こえました。なんだろうと窓の外をのぞくと、数人が叫びながら倒れている女性に駆け寄っています。5分もしないうちに救急車が来ました。母親らしき人がすがって泣いています。担架に乗せようとすると痛いらしく叫び声が響きました。運転手も泣いています。見ない方がいい。そう感じつつも身体が動きません。蛇に睨まれた蛙のように...。触られるのを抵抗するぐらいだから命には別状ないだろう...。そう納得すると、ようやく窓から離れられました。
 この後Birdlandへ早めに行く予定でしたが、とてもそんな気分になれません。取り止めようかとさえ思いましたが、なんとか時間ギリギリで気分も落ち着き、出かけました。ニューヨークは信号無視が当たり前ですが、人が渡ったからついて行くのでなく、自分でよく確認する必要があると痛感しました。

The Jazz Corner Of The World
 ジャズクラブは予約なしで行けると聞いていましたが、何しろこれが私の第1目的なので絶対はずせません。Birdlandはサイトから予約ができないので、Philadelphiaに住むペンパルに頼んで、2ヶ月前に電話予約してもらいました。これには座席の予約が入っておらず、店についた順番に割り当てられたようです。MOXIE(The Women of The Manhattan Transfer)のライブは2日間。両日の21時の部を予約してありました。
 1日目は30分前で一番最後の左隅席、2日目は1時間半前で前日より1テーブル前のでした。みんなどれくらい前から来てたのかしら?ここはマンハッタン、The Manhattan Transferにとって故郷の地ですから、並の人気ではないのでしょう。甘かったです。
 担当のウエイトレスは気配りのきいた人で、他の店での扱いに慣れていた私には女神に見えました〜(言い過ぎ?)最悪の席でチップを得るためなのかもしれませんが、どんな理由であれ人間扱いされてうれしかったです。料理はなかなかのものです。本日のスープ、サーモン、サラダ、リブステーキ、どれも変なくせがなく満足しました。
 肝心のショウは、最高でした!3人ともソロアルバムを出す実力の持ち主です。その歌声がマントラで鍛えたパーフェクトハーモニーで1つの楽器のように溶け合っているのですから文句の付けようがありません。女性ヴォーカルトリオといえば、The Three Degrees、The Andrews Sisters、確かone projectのみのThe Star Sistersなどが浮かびますが、実力、才能、センスを総合するとそれ以上のものを感じました。きっと来日するでしょう、して欲しい、してくれなきゃいやだぁぁぁ。
 おっと、失礼しました。ライブの後、どうしようか夫と相談です。実はMOXIEのLaurelとは、短いメールをやり取りしていたのです。「ライブに行きます」とメールを送ると「あなたをseeするのを楽しみにしてます」と返事がありました。でも、これってどういう意味合いかわかりにくいですよね。
 会えるのか、ショウで見るだけなのか。もう帰ろうと出口付近を見ると、なんとLaurelが誰かと話しているではありませんか!そうか、出口が混み合っていたのは、人々がMOXIEのメンバーと話してなかなか列が進まなかったからなのねぇ。「ローレルよ、ローレル!!!」夫に叫ぶように言って立ち上がり、話す人の列に並びます。LaurelやJanisの顔はすぐそこです。マントラ来日コンサートでは出待ちをしたことありませんから、Janisがこんなに近くにいるなんて信じられません。
 他の人とハグしてる彼女と目が合って見つめあってしまいましたぁ〜。みんな熱心ですから、列は遅々として進みません。20年もファンで、ずっと会いたかった人がすぐそこに居て、もうすぐ話せるんだと思うと、あまりの緊張で、その場から逃げ出したくなりました。そこをぐっと我慢していると、目の前にLaurelが。「、、、(なんて言おう)」とまどっていると、「Are you ○○?」彼女の口から私の名前が流れました。この時の感動は口では言い表せません。みなさんも誰かのファンならば、きっとわかってもらえますよねっ。頭が真っ白で、英語が出てこなくて、短文を言うのが精一杯。でも気持ちは充分伝わりました。ハグした後、写真も取り(後で見ると私の顔は緊張でカチコチ)、サインももらいました。店を出た後、夫を紹介するのを忘れ、プレゼントを渡すのも忘れていたことに気付きました。次の日にしっかり渡しましたっ。

スターとファンの距離
 ニューヨークで驚いたのは、ファンとスターの距離がいかに近く自然かということです。垣根が低く、キャーキャーと大騒ぎするのが恥ずかしくなる程です。日本でもBlue Noteではそれに近いと聞きましたが、日本のスターは大きなコンサートホール中心ですから、ちょっと考えられないデスよね。Birdlandでライブ後の交流を書きましたが、始まる前に受付で並んでいると、私のすぐ後ろをメンバーのCherylがすーっと通って楽屋へ入って行きました。Birdlandからの帰り道(警官があちらこちらに立っているし、人も多いので、ホテルまで歩いて帰れました。)にSeussicalの出待ちに遭遇しました。子供達が並んでサインをしてもらっていました。夜の11時頃です(治安がよくなったからでしょうか。びっくりです)。ミュージカル、FOSSEでは舞台の後にチャリティがあり、さっきまで踊っていたメンバーが寄付をつのってかごを持ち、通路に立っているのです。全出演者サイン入りのポスターもチャリティー用に売られていました。日本じゃ大騒ぎになるんじゃないでしょうか?ほとんどの人が素通りしてました。信じられない〜!

Gray's Papaya
 御存じ「You've got mail」に出ていたホットドッグ屋さん。私的には名物ホットドッグよりもBreakfastセットの方がおいしかったです。そして100%ナチュラルのフルーツジュースがおすすめ。アルコール飲料みたいな名前がついてますが、全てノンアルコールです。日本人がよく来るのか、「どこから来たの?」と尋ねてきたり、愛想がよかったです。

Imagine
 Beatlesファンの夫が目指したのは、Dakota Apartments。この辺りまでマンハッタンを上がると、人間の住む場所らしい落ち着いた雰囲気が味わえました。Midtownの店員の仏頂面や道一杯の人人人に疲れていたのでUpper West Sideの雰囲気、そして何よりもCentral Parkの緑で生き返りました。Strawberry FieldsのIMAGINE石碑付近は観光客が群れをなしてましたが、緑が多くて日光が降り注ぐ中では圧迫感を感じません。疲れた方へはCentral Parkをおすすめします。

Pen pal
 Philadelphiaには20年来のペンパル(といっても、ここ数年は速いメールのみ)が住んでいます。1度日本で会い、今回はニューヨークで再会することになりました。彼女は元々New Jerseyの人でニューヨークは行き慣れており、アドバイスも聞けました。やはり治安はかなりよくなったそうです。昼も夜も警官もあらゆるところに立っているし、夜のブロードウェイでGuardian Angelsも見かけました。確か、ガールフレンドをレイプされた青年が、街を安全なものにしようとボランティアで見回りを始めたのが最初だと、20年ほど前にテレビで知りました。今も続いてるんですね。地元の人間には、旅行者かどうか雰囲気で分かるし、旅行者自身が慣れていないから、危険を察知しにくいので、安全だと気をゆるめすぎないように言われました。彼女との会話。「空港まで何で行くの?」「タクシーにするの。」「よかった、Queensを通るから。」治安がよくなったと言っても気をつけるべきところはあるようです。

ニューヨーク、自分にパワーがないと圧倒される街でした。けれどクセになります。もう一度行くぞぉ!という気分になるから不思議。次回はエネルギーをたっぷりためて、英語をなんとかして挑みます。この街に違和感なく溶け込めたら、自分の成長を実感できるはず!

The Manhattan Transfer,Laurel Masse,Moxieに興味のある方は
私のサイト〜Laurel,roses & herbs〜 http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Piano/8655/ に遊びに来てくださいね。



Another New York Vol.25

HEAR JOY SPRING IN NY
〜初めてのニューヨーク〜 
その3
by
月桂樹

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