1,050フィートのハッピー・バースディ


 ニューヨーク最後の夜。
私はいつもエンパイアステートビルに登ると決めています。
ラブラブカップルに当てられながら(笑)も、
オレンジ色に輝くこの夜景を眺めながら、
また必ず来ることをこの街と約束する、
そんなセンチな時間をすごすのです。
 
クローズ寸前まで別れを惜しんで、
86階から下りのエレベーターに乗り込みました。
いっしょに乗り込んだのは家族連れとひと組のカップル。
「パパ、よかったね。素敵な誕生日だったでしょ?」
「イエス!! いい54歳になりそうだ!」
どうもその日はその家族連れのお父さんの誕生日だったらしく、
記念に家族4人でエンパイアへやってきたらしいのです。
するといっしょに乗り込んだカップルの男の子が
「Happy Birthday!」と声をかけました。
おお、なんてフレンドリーなんだ、とそれだけで感動していると、
どうも会話が弾み始めている!?
英語が出来ないくせに一人旅をしてしまう私なので、
あまりの早口に聞き取れなかったのですが
ココで仲間に入れないのも悔しいので、
思い切って「はっぴぃ、ばあすでー」と言うと、
パパは笑顔で「Thank You!」と答えてくれました。
 なんだ、私も会話に参加できてるや〜ん!と思っていると、
今度は、カップルの彼女のほうがいきなり
バースディ・ソングを歌いだし、とうとうエレベーターの中は大合唱!
ケーキもプレゼントも無いけれど、
まさしくそこは、パパのお誕生日会と化したのでした!?
 
地上320mから降りてくる、たった1分間の出来事ですが、
地上に付くころには、みんなひと仕事終えた満足感でいっぱい!
今年も10月15日がやってきますが、きっとまたこの出来事を
思い出すんだろうなぁ〜。
 
結局パパの名前もよく聞き取れませんでしたが(笑)、
今年は日本から、
Happy Birthday To You!!






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Another New York Vol.34

1050フィートのハッピー・バースディ
by
Noriko

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