わたしのくすり


今私は、ある病に侵されています。
ここは思いきってみなさんに紹介したいと思います。
 
 病 名:ニューヨークへ行きたい病
 原 因:日々の生活で感じる全てのストレスから
 症 状:無気力、情緒不安定となり、何も手につかなくなってしまいます。
     最悪の場合、動悸、息切れ、めまい、更には呼吸困難に陥るケースもあります。
     (かなり大袈裟かも…)

 時 期:個人差がありますが、突然やってくるものと思われます。
     (私はベストシーズンといわれる夏が終わりかける頃、特に症状が悪化します)
  薬 :ニューヨークへ行く、ただそれだけです。
     プチ・ニューヨーカーとなって、現地の空気、素晴らしい景色、
     ミュージカル・美術館・音楽鑑賞、ショッピング、人々とのふれあい、
     その他もろもろを自分の肌で実感するだけで完治します。
     そして躊躇せずに「I LOVE N.Y.!」と言いましょう。確実に即効性があります。
     でも無理は禁物です。自分の出来る範囲で行動しましょう。
  後遺症:度が過ぎると、ニューヨークでの出来事が全て恋しくなり、
     何度でも行かずにはいられなくなってしまいます。
     こうなってしまったら、もう手遅れです。そこに住むことをお勧めします。

  症例及び治療法 −ぷりんの場合− :
     すでに重症です。たった1回の一人旅ですっかり侵されてしまいました。
     実は、3回目の発作のとき、2週間の滞在で充電するつもりでしたが、
     あの忘れられない出来事によって幻となってしまいました。
     それが更なるストレスとなって4回目の発作が起きてしまい、
     そこへ行かずにはいられなくなってしまいました。
     スケジュールや予算の都合からタイトになってしまいましたが、
     なんとか治療に専念することができました。

     私の『薬』はいろいろあるのですが、"ブルックリン・ブリッジ"と
     "セントラル・パーク"が最も適していると思われます。
     ブルックリン・ブリッジから眺める自由の女神の後ろに広がる夕日やマンハッタンの夜景、
     木漏れ日が降り注ぐセントラル・パーク、シープメドウの芝生の上で横になって眺める
     どこまでも続く青空。そこへ行って深呼吸すると、全てがクリアになり落ち着きます。

     これらすべてのことが私の栄養となって何事にもやる気を起こさせ、
     諦めていた夢への実現をも少しずつ確実にしてくれるのです。
     都会の喧騒や慌しさに疲れ、自分の弱さゆえにくじけてボロボロの状態になって訪れても、
     何も聞かずに、ただ明るく優しく迎え入れてくれるニューヨーク。
     毎回あてのない、行き当たりばったりの一人旅ですが、行くたびに必ず新しい発見があり、
     必ず素晴らしい出逢いがあります。
     そのためには、ただひたすらニューヨークを歩くことです。
     大好きなものは直接肌で感じて、そしてギュっと抱きしめてあげることが大切なのです。
     (決して無理はいけません。歩き疲れたら地下鉄やバスに乗りましょう)

     私は一生この病に侵され続けることでしょう。
     そして、何度でもこの『薬』を服用することは間違いありません。
     でもそれは心地よいものであって、決して恐れてはいません。
     むしろ、今後の私にとって必要不可欠なものですので、今は充電完了・パワー全開ですが、
     心のどこかで次の発作が起こることをとっても楽しみにしています。

     “百聞は一見にしかず”
     みなさんもこの『薬』を一度とは言わず、何度でも試してみては。

                                       November.2001

  



Another New York Vol.37

Text & Photograph
by
ぷりん

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