Vol.38 ニューヨークより


 その後お元気でいらっしゃいますか?

 私たちの宿は予約がほとんど皆無で、特に来年1月から3月にかけての最悪の状況を覚悟しなければならないような状態です。せっかくご協力くださるといってくださったのに、こちらがそのような状態ですみません。

 さて、ニューヨークでは、昨晩恒例のロックフェラーセンターのクリスマスツリーがライトアップされました。が、突然お父さんを亡くした子供達が迎える今年のクリスマスを思って悲しい気持ちです。

 本当に長く美しい秋が、さらに美しいクリスマスへとライトアップされてゆくのに、多くの人々の気持ちはとり残されたままです。阪神大震災の時もそうでしたが、周囲が「これからは前に向かって努力しなければ」「辛い気持ちを乗り越えて頑張るのだ」となった時がいけないように思います。いまだ傷ついたままの気持ちを閉じ込めて隠してしまい、それが重荷になって、人間関係に支障をきたすのです。
 友人、知人の間で、長年付き合っていたカップルが突然別れる、離婚すると言った事が続いています。皆がダウンタウンで仕事を持っている人たちで、あの事件以来仕事に集中できないと言う事をもらしていました。生まれてから一度もアメリカが攻撃される事など考えた事もなく、大学卒業後、景気の波に乗って意気揚揚とニューヨークに移り住み、毎朝ワールドトレードセンターを眺めながら出勤し、自由な生活を満喫していた世代です。目の前でワールドトレードセンターが崩れる様を見たショックは、田舎に住む彼らの両親や友人には全く理解されません。友人の一人は「あれはビルではなくて、空にそびえる一つの街だった。」と言いました。

 さて、昨日自然史博物館の隣にあるニューヨーク・ヒストリカル・ソサイエティーの特別展に行ってきましたので情報をお送りします。「ニューヨーク セプテンバー イレブン」と言う展示で、あの日の写真やビデオを集めた展示をしています。ダウンタウンで、素人や若手の写真家の作品を集めた展示がありますが、こちらはよりプロフェッショナルです。迫力があり、私にはまだ衝撃が強すぎてゆっくり見ることが出来ませんでした。とくに1時間あまりのビデオ上映があり、1機目の後たくさんの書類があたり一面に降りしきる中 呆然とビルを見つめる人々や、2機目がぶつかり、やがてビルが崩れて撮影者が逃げ出すまでが、テレビではなく壁面いっぱいに映され、まるで自分がそこに立っているかのような気持ちにさせられました。これは11月20日〜2月25日までの展示です。(ニューヨークの歴史を知るには大変いいところですので、この次来られる際にはぜひお立ち寄りください。)

 少しくらいメールになりましたが、それでも感謝祭以降、街はクリスマスのプレゼントを買いに出かける人々でにぎわっています。シガニ−・ウィ−パーが出ているお芝居で、トライベッカの消防士の物語があるそうです。私は今の所それを観に行くのを楽しみにしています。

ほとんどお客さんはいませんが、誰かが来てくださるとすごく励まされた気持ちになり、嬉しくて、頑張れます。クリスマスまではいくつか予約が入っていますので、その方達のために今週からユニオンスクエアのファーマーズマーケットでクリスマスリースを買って、飾り付けを始めます。

皆がいいクリスマスを迎えられるように。
長いメールで失礼いたしました。それではまた。   YOKO (ザ・ワンハンドレッド)
2001.12.06

 今回はThe One Hundred のオーナーのYOKOさんから頂いたメールを、僕がお願いして掲載させて頂きました。このメールには皆さんの心をおしひらく力があると思っています。さあ、ニューヨークへ! JOJO

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Another New York Vol.38
Text by YOKO

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