Vol.56 ニューヨークでボランティア


 ずっと夢見ていたニューヨークへの旅。この秋,念願叶ってようやく行って来ることができました。
初めてのニューヨーク,見たいところはたくさんありますがどうせ見きれないし?!以前からボランティア活動に興味があったので大好きな街ニューヨークにて,あるプログラムに参加してみることにしました。ただし決してイベント的なものではなく,地元で「日常的・継続的」に行われている活動に参加したいと思っており,あるサイトで見つけたのが「スープキッチン」というボランティアです。

 これはチェルシーのHoly Apostlesという教会で行っているホームレスや低所得者向けに無料で暖かい食事を提供するプログラムで,ウィークデイの毎日,1日平均約1,000食も提供しています。それで,配膳係など毎日50人ほどのボランティアを必要としており,メールにて随時受付しています。このプログラムはもう20年も続いていますので,すでにご存知の方,参加されたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。私は出発の1週間ほど前に申込みました。翌日プログラムのディレクターから「ぜひいらっしゃい」との返事が来てエプロン持参で行ってまいりました!

 教会の場所は9AV.29st。ミッドタウンに宿泊していた私は早起きして散歩がてら西に向かっててくてく歩いて行きました。30〜40分ほど歩いて到着。9:30の集合時間には随分早く着いてしまいましたが,思いのほか寒かったので教会に入ってみることにしました。入り口にはすでに食事を求めた人たちが何人か並んでいました。その脇を通って教会のドアを開くと,ちょうど厨房から出てきたコックさんが暖かく迎え入れてくれました。

 その後ディレクターと会い(映画「グッドウィル・ハンティング」のロビン・ウィリアムスに見た目・役柄ともそっくり!),簡単な受付を済ませ,食事会場(礼拝堂)で他のボランティア参加者が集合するまで待つように言われました。そこには参加者用の簡単な朝食(ベーグル,コーヒー)も用意されていて,参加者同士,仕事前の一息といった感じで談笑していました。実は参加者はほとんど近所か教会関係者の常連さんで顔見知り。私だけがまさに「異邦人」。最初はテーブルにポツンと独りで座ってコーヒーを飲んでいました。が,まもなく若いシスター3人組がやってきて「よく来たね!どこから来たの?」と元気に話しかけてくれました。その後地元のおばちゃん(失礼!)たちも次々に声をかけてくれて,少し緊張していた私はそれで安らぐことができました。

 いよいよ仕事開始。スタッフから役割分担が発表され私はレモネードの手渡し係りに。詳細は不明ですが,食事の方はすでに他のボランティア(コックさんによるボランティア?)によって出来上がっており,私たちは「配膳」のボランティアでした。10:30にスタートとなり,教会の外に並んでいた人々が順番にトレイを持って食事を配するテーブルに並びます。私はすべてのおかずが乗せられたトレイの隙間に,最後にレモネードの紙コップを「Good Morning!」と言いながらのせてあげます。しばらくの間人の列は途切れることがなく,だんだん言葉ももつれてきました(笑)。

 食事を求めてくる人たちにはいろいろな人がいました。黒人,白人,中国系,体に障害を持つ方,旅行者,とても貧しいようには見えない立派な身なりの方・・・。中にはダンスしながら食事を受ける人(レモネードがこぼれるっちゅうの!),陽気に歌を歌いながら食事を受ける人も。ひとりひとりのバックグラウンドはわかりませんが,私は彼らに人の「強さ」のようなものを感じました。そして,彼らは私が挨拶をすると「Good Morning, thank you, How are you?」と,真っ直ぐ私の目を見て言ってくれます。私はここ数年,大きなトラブルを抱えて何に対しても無気力になり,いろんな自信を失い,人と接することに不安を感じることすらありました。周囲のみんなが眩しく見えて,直視することを避けていました。それは自分から逃げていたのと同じことなのだと思います。ですから彼らにしてみれば当たり前の行為かもしれないけど,私はこの仕事で「相手の目を見て話す」という人として大事なことを思い出しました。

 少し個人的な話をしてしまいましたが,そもそもボランティアは,「誰かに何かをしてあげる」というイメージがありますが,とんでもない!「自分がさせてもらう」ものだと思います。だってそれによって得られるものがたくさんありますから。やっている方が「もらって」いると思います。何と言っても自分の居場所をもらっている。こんな話は奇麗事であって,世の中はそんなに甘くないと言われるかもしれませんが・・・・。私には出来る事と出来ない事があるけれど,また機会を見つけてこのようなボランティアに参加したいと思っています。

 このプログラム,12:30に終了して片付け,最後はボランティア参加者で昼食をとりながら交流して終わりとなりますが,実は私,12:00になったところで急に具合が悪くなりリタイアしてしまいました。時差ぼけの影響か,前夜よく眠れなかったことに加え,あまりの人の多さに目が回ってしまったようなのです。一緒にレモネード係をしたおばちゃんは「今日は食事に来た人少ないし仕事もゆっくりな方よ〜」と言っていましたが・・・。貧血に近い感じだったのでここで頑張ってもさらに迷惑をかけるだろうと思い,自力で帰れるうちにディレクターにお詫びをしてタクシーでホテルに帰りました。

 このように,最後はしりきれトンボになってしまったので,次回ニューヨークに行った際は充分に睡眠をとってリベンジしたいと思います!でも,大好きなニューヨークの街で人々の「日常」に触れることができて嬉しかったし,自分にとってよい経験ができました。みなさんもいつもと少し違ったニューヨークを体験してみてはいかがでしょうか?

  ※今回私が参加した「スープ・キッチン」のHP
   http://www.holyapostlesnyc.org/haskhome.htm

2003.10.19

  



Another New York Vol.56
ニューヨークでボランティア
Text やすべえ
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