Vol.73 カイカット邸とユニオン・チャーチ


TVで特集番組を見て、がぜん行ってみたくなった富豪ロックフェラーのお屋敷、カイカット邸。彼らが3世代に渡って集めた美術品を、邸宅の中で一般公開しているとのこと。10月の木々が色づき始めた頃、レンタカーで行ってきました。

場所は、ハドソンリバー上流のハドソンバレーというエリア。マンハッタンからは北に向かって車で約1時間です。ルート9沿いの並木が本当にきれいで、ところどころ赤や黄色に染まった木々と周囲の静けさが、あの喧騒のマンハッタンのすぐ近くというのが信じがたいぐらいでした。

カイカット邸に行くには、まずPhilipsburg Manorを目指し、敷地内のビジターセンターでチケットを買ってツアーに参加します。4種類のツアーの中から、一番スタンダードな2時間の「House and Inner Garden Tour」($22)に決め、料金を払うと参加時間が印刷されたステッカーをもらいました。それを服の上に貼って、出発までビジターセンターの中のショップをぶらぶら。今の時期ハロウィーンにちなんだグッズが多く、学校の遠足で来たらしい子供達がたくさんいて可愛かったですよ。

時間になってビジターセンター横からツアーのミニバスに乗り込みカイカット邸に向かいます。ガイドさんはちっちゃなおばあちゃんというかんじの方で、参加者は私達を含め10名程度でした。敷地に入ってから坂道を登ったところに豪壮な邸宅がじゃじゃーん!というかんじで見えてきます。ここでバスを下りて、おばあちゃんの解説が始まり、ロックフェラー家の歴史から詳しく語っていただきました。あいにく小雨がぱらつくお天気で、最初は興味深く聞いていたのですが、だんだん寒くなってきて「おばあちゃん、お願い!早くおうちに入れて〜」という心境に・・・

初代ロックフェラー氏の趣味がゴルフと乗馬だったそうで、屋敷の裏手には当然ゴルフコースが。見晴らしのよい丘の上の広大な敷地は、馬で颯爽と走ったらさぞかし気持ちいいだろうなあ・・・と思いました。屋敷の中に入る前に、「セキュリティーが厳しいのでツアーから離れないようにネ」と念を押され、やっと屋内に入ると、各部屋にこれでもかというぐらい高価そうな家具と、彫刻や絵の装飾品が所狭しと並んでいます。

部屋の入り口にはロープが渡してあって勝手に入れないようになっているので、部屋の前のスペースや廊下で説明を聞きながら、屋敷内を移動して行きます。

食器部屋(ガラス戸の向こうにこれまたゴージャスな食器達)があり、ここで女性陣は「私だったらこれよりあっちのダイニングセットがいいわ」なんてそれぞれ品定めしてました。その後、キッチンにて「ここは使用人しか入りませんでした。」との説明があり、最近のロックフェラー家はこの屋敷を住まいというより、余暇を楽しむための別宅にしていたとのこと。常時、住んでいたのは使用人達だけだったそうで、ツアーの中のおばさまが「私、ここで働くわ!」と叫んで結構ウケてました。

敷地内には、ピカソ、イサム・ノグチ、ヘンリー・ムーア、アレクサンダー・カルダーなどの著名なアーティストの彫刻がそこかしこにあり、このツアーでは一部しか見られませんが、もっと詳しく見たい方は「The Gardens and Sculpture Tour」に参加するといいそうです。

テラスからハドソンリバーを望む景色を見下ろし、彫刻の点在する中庭やバラ園を抜け、地下のアートギャラリーに下りると上の階とはがらっと趣向の違う近代アートの作品群が見られます。ピカソの絵をタペストリーに織り上げたものがいくつもあり、その製作過程の写真も見られます。私は個人的にここが一番気に入って、マンハッタンのフリッツコレクションみたいに、好きなだけ自由に見て周れればいいのになあ・・・と思いました。

階上に戻りお屋敷の別の側に出て、そこで待っているはずのバスに乗り込むはずが、ハプニング発生。なぜかバスが来ていなくて、ガイドのおばあちゃんがドライバーと連絡を取っている間、お屋敷の他の部分も見せてもらえました。

車庫の中のクラシックカーのコレクション(車好きな人にはたまらないかも)と、よく手入れされた馬具の数々が陳列されている部屋。

その後、庭の中の小道を歩いて車道まで下りそこでツアーバスと合流しました。もしかして最後の部分は、このツアーに含まれていなかったオマケだったのかもしれません。バスでビジターセンターまで戻ってツアー終了。たっぷり2時間楽しめました。

お屋敷はイギリスのマナーハウス(領主の館って言うんでしょうか)風で、イタリアのルネッサンス様式の庭、中国の陶器や日本の焼き物の本があったり、3代に渡ってのロックフェラー家の人々の多様なアートの趣味が混在していました。

美術品を見るだけでなく、女性はどちらかというと自分が住むならこの家具でこの食器でと選びながらひとときの空想の家を作る楽しみもあるのかも。活発に質問をしていたのも女性達で、男性陣は奥さんや恋人にくっついてきたかんじの方が多かったです。彼らは最後のクラシックカーコレクションの所が、一番元気だったような(笑)

この後、車で5分程移動したユニオン・チャーチは、個人的にカイカット邸より感動しました。正確な名前は、The Union Church of Pocantico Hills(4月〜12月のみオープン)

シャガールの9枚のステンドグラスが素晴らしいです!一番奥にマティスのものが1枚だけあります。教会の中に入ると照明を消して外からの自然光だけで見せてくれました。雨まじりのくもり空だったのですが、いつか晴れた日にまた見に戻って来たいと思いました。

カイカット邸のツアーに参加すれば無料で入れます。ビジターセンターのチケット窓口でもらえるフリーアドミッションのクーポンか、ツアー参加のステッカーを見せてくださいね。クーポンがない方は、入場料$4を入り口の箱に入れるシステムになっています。ぜひ行ってみてください!

ハドソンバレーにはその他にも、映画化された「スリーピーホロウの伝説」の著者ワシントン・アービングの家や、豪華な古城ホテルのキャッスルオンザハドソンなど見所がたくさんあります。

2004/10/31

  



Another New York Vol.73
「カイカット邸とユニオンチャーチ」
Text ルーシー
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