スタッテン島フェリー −自由の女神を横目で見ながら..

 ニューヨークを訪れる人のどれくらいが、スタッテン島行きフェリーに乗るんだろう? そんなことを思いながら、快晴のバッテリー・パークを左へ左へと歩く。横目に見える自由の女神行きの船は、デッキの外まで満員。立ったままの人が埋め尽くしている。でもこれから乗るフェリーには、立って乗っている人はほとんどいない。舳先に貼りつく観光客以外は。 Staten Island
 マンハッタンの南に浮かぶ周囲70Kmほどの島。ニューヨークの5区の中では一番人口が少ない。

Staten Island Ferry
 マンハッタンとそのベッド・タウンのスタテン島とを約25分で結ぶ。30分〜1時間の間隔で24時間運行している。鉄道王ヴァンダービルドの初事業がこのフェリーだった。
 バッテリ・パークの外れから乗るこのフェリーは、ニューヨークの一部、スタッテン島とマンハッタンの間を結んでいる市民の足だ。市民運動の結果、1997年末から無料で乗れるようになったという。乗客のほとんどは通勤・通学だが、自由の女神の近くを通るので、観光客にも人気がある。  
 ※……と思っていたら、JOJOさんからのご指摘で、実はあまり知られていないことが判明。そういえば観光客もほとんどラテン系で、アジア系は見たことない。うー む。
 乗り場は2階建てで、エスカレーターを上がると広い待合所がある。バスケット・コートが2つは余裕で入る大きさで、ベンチもたくさん。待合室の真ん中はたいがいストリート・ミュージシャンが陣取っていて、今日はラテンな兄さん2人がギターと唄を繰り広げてる。

 フェリーの時間は電光掲示板でカウント・ダウン。ブザーが鳴って乗り場のドアが開くと、ドドッと駆け出して行くのは決まって旅行者だ。カメラを持ってデッキに陣取ってニコニコ顔。日常の足にしている人達は、船の中のベンチに腰を下ろしてる。このフェリーの中って居眠りしてる人が結構多い。ニューヨークの交通機関では、数少ない安心できる乗り物なのかも?
 メラニー・グリフィス主演の映画「ワーキング・ガール」で、このフェリーは重要な小道具(大道具…?)として使われている。女性上司が入院したのをいいことに、彼女に成り代わってリッチなキャリア・ウーマンになりきる主人公・テスの、通勤の足がこのフェリー。落ち込んでるシーンでフェリーの窓からマンハッタンを映したり、起死回生のネタを掴むのがこの船の座席だったりと、効果的に登場していた。 Working Girl 1988年
監督/マイク・ニコルズ
主演/メラニー・グリフィス、シガニー・ウイーバー、ハリソン・フォード
 フェリーが出発して数分立つと、右前方に自由の女神が近づいてくる。じわじわと大きくなってくる彼女を見てると、インスタント・ニューヨーカーとしては心踊らずにいられない。女神をある程度の大きさで見られるのは10分間しないなので、堪能したい人は進行方向・右側でスタンバイするのを忘れずに(あ、もちろん帰りは左側で!)。もう女神なんて見なくてもいいや…って奇特な人は、中のベンチで人間観察をしよう。若者、白人、黒人、お年寄と、それぞれが微妙に座るエリアが違ってたりして面白い。スタッテン島に着いたら、一度降りないとマンハッタンに戻れないので気をつけて。乗ってる間ずーっとうつむいてたスーツの黒人男性、フェリーの係員に促されても「オレはいい」ってずっとうつむいて座ってたな…。 Staten Island Zoo
Barrett Park at B'way&Clove Rd. TEL/ 718.442.3100
10:00〜16:45 祝日は休み
大人3ドル、3〜12歳2ドル
水曜日の14時からは無料

バス セント・ジョージ・フェリーターミナルから乗車、S48線 B'way & Forest Ave.下車南に2.5ブロック。

Staten Island Mall
TEL/718.761.6800
Mon-Sat 10:00-21:30
Sun 11:00-18:00
http://www.statenisland-mall.com
 複数の専門店やMacy'sやSearsといったデパートが集まった、アメリカ郊外型のショッピング・モール
 戻る船に乗り換えて、今度は近づいてくるマンハッタンにワクワクするのもまた楽しい。もし時間があるのなら、スタッテン島をブラブラしてみよう。ちょっとした動物園もあるし、バスに乗ればアウトレット・モールにも行ける(らしい、私は行ったことがないので)。島の中は地下鉄が走っていて、マンハッタンと同じチケットで乗れる。マンハッタン側の待合所に観光案内スタンドがあって、ここで地図やパンフレットをもらって行くのをオススメ。
マンハッタンより緑が多くて、時間の流れも違うスタッテン島で、また違ったニューヨークを体験してみて下さい。

 2000.10.22 Text by Mie. Photograph by Mone



Another New York Vol.07

スタッテン島フェリー −自由の女神を横目で見ながら..
by
Mie

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