Vermeer and the Delft school (フェルメールとデルフト派展)  Vol.3
   March 8 〜 May 27 , 2001
   Metropolitan Museum of Art (MET)
   Special Exhibitions Galleries, 2nd floor, The Tisch Galleries

8. Woman with a Lute (窓辺でリュートを弾く女) 72
http://www.cacr.caltech.edu/~roy/vermeer/mnt.html 
 昨年は大阪での「フェルメール」展に貸し出されていてMETでは観られなかった作品。今回もまた、本来展示されている部屋とは違う場所での再会となりました。この作品を含め3枚が9番目の展示室にあります。
 大阪で観た時も思ったのですが、この絵は暗いというか、くすんでいる印象を受けます。多分保存状態が良くなかったのかもしれません。フェルメールの作品に多く登場するお気に入りの黄色の綺麗な服もこの絵だとぱっとしません。
 手前の椅子の存在に画集などではあまり目が行かないのですが、実物を観るとかなり気になります。手前の椅子から見て考えると女性はかなり部屋の奥にいることになります。しかも今回の展示の中で実物のリュートがあり、初めて見たのですが、これが思った以上に大きく厚みがあります。ですから彼女の位置は絵で見るよりかなり後ろの壁に近い位置にあると思われます。
 また、フェルメールにたまにありがちなのですが、テーブルの脚とテーブルクロスの位置が合わないように見えました。このように、セザンヌっぽい感じがたまに見うけられます。

9. Girl with a Red Hat (赤い帽子の娘) 74
 http://www.cacr.caltech.edu/~roy/vermeer/shh.html 
 (カタログナンバー順ですと次は「天秤を持つ婦人」ですが展示室順に見ていきます)
 さて、登場しました贋作疑惑が常に付きまとう「赤い帽子の娘」です。どうしても色眼鏡で観てしまいます…でもここはじっくりと。と思った矢先この絵の前だけ柵がないじゃないですか!この展覧会はフェルメールの作品とそれに匹敵するような作品には絵の前に柵が設けられていて、嫌でもこの絵は普通じゃないと思わせていたのに、フェルメール作品にあって唯一の柵なし作品です。どうでもいいのでしょうか??
 また、キャプションの説明の短いこと短いこと(と言うか説明がない)。キュレーターが語るのを嫌がっているの見え見えです。ここまでされると何やらかわいそうになってきます。
 この作品ともう一つ同じような「フルートを持つ娘」だけキャンバスでなく板に描かれています。しかもその板が立体的に前に出ています。ちょっと異様です。首元にある白い物もよーく観たのですが正体不明です。椅子の飾りのライオンは何故かこちらを向いているし…肩から手首へかけての光のつぶも妙に多いし……あーーやっぱり贋物なのでしょうか?
 最後に絵に関しては全くのど素人の同僚の意見です。「これもフェルメールなんですか?他の作品と違って光が右から当たってますけどね。」うーーん。鋭い。

10. Study of a Young Woman (娘の頭部) 75
 http://www.cacr.caltech.edu/~roy/vermeer/uyc.html 
 この作品の少女がつけているイヤリングですが、画集で見ている時は実は気がつきませんでした。絵の前に立って初めて「大きなイヤリングしているなーー」と発見しました。「青いターバンの少女」(「真珠のイヤリングの少女」)ほどではないのですが、ちゃんとイヤリングに光も表現されていることが分かります。
 肖像画らしき作品は「青い〜」とこの作品2つだけですが、どうしても「青い〜」の方が有名というか、印象が強くこちらは目立たない作品となっています。(カタログでも見開きで並べて載せてあり比較されていますし、キャプションにもわざわざカラーで「青い〜」の写真が載せてありました。)ところがどっこい、本物の前に立って観ているとこちらは、こちらで良さが出てきます。「青い〜」にない<可愛さ>があります。とにかく可愛いいんです。異国まで飛行機の長旅の疲れを癒してくれるような可愛さです。今流行の「癒し系」フェルメール版とでも言えましょうか。
 勿論、光の処理はこの絵でもちゃんとなされていて、服のひだや服に描かれている光のつぶなど近くで観るとよく分かります。髪型は、バックの黒とあいまって観づらいのですが、しっかり、後方へ束ねられています。

11. Woman with a Balance (天秤を持つ婦人) 73
 http://www.cacr.caltech.edu/~roy/vermeer/qhh.html 
 最後の10番目の部屋には一番多くのフェルメールの作品(5点)が展示してあります。ここの部屋だけでも本来なら大変なことです。
 この作品も昨年大阪で観ました。騒がしい大阪の会場の中でこの絵だけ時間が止まっているように感じた作品です。それは、彼女の所作から来るものでもでもあり、またフェルメールのテクニックから来るものでもあります。
 左手をそっと机に置き、顔を傾け一点に集中している女性。観る我々も自然と同じ視点に目が行くように構成されたフェルメールの力量。寸分の狂いもありません。かなり弱い光もこの作品にはピッタリです。逆にあまり目のいかない、床の部分など意外と女性を中心に左右の位置がずれていたりします。
 いつものお気に入りの黄色の服ではなく、ダークグリーンのような服の色もこの作品にピッタリと合っているように感じました。
 とても「静かな」作品です。

TakさんのHP BLUE HEAVEN へもどうぞ!




Another New York Vol.21

Vermeer and the Delft school
フェルメールとデルフト派展 B
by
Tak

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