Vol.10 年末年始、トラブルを避けてNYを旅するための3つのヒント


 このところまた白タクの被害が増えています。また、NY市の警察への予算削減、新市長の方針転換による警備力の低下などから、最近軽犯罪が増えてきました。(年間の犯罪件数は、今年はこれまでのところ過去最低を記録。)ちょうど年末で、スリや引ったくり、強盗が増える時期でもあります。そこで、今回は十数年を紀行画家として過ごした旅のプロとして、安全なNY旅行のための3つのヒントについて書くことにしました。これはトラブルにあった場合の対処法ではなく、それを避けるものです。これまでに書いたことと重複するかもしれませんが、どうか参考にしてください。

まず旅の準備
 よく、旅慣れた人は、前日に荷物を詰めてふらっと国内旅行をするように海外に旅立つように思われていますが、実はまったく違います。より安全な旅には、より時間をかけた準備が必要です。例えば半年の旅に出る場合、私はいつも準備に半年をかけました。

ニューヨークの旅行の場合、現地で買える物が多いので、持ち物に神経質になる必要はありませんが、情報収集は必要です。たくさんの情報を持っていれば、何かあったときに対処できる自信がつきます。自信があれば、自然と不安な表情が無くなり、カモを探している犯罪者のターゲットから外れることになります。すでに何度もNYに来られている方でも、毎回最新の現地情報を収集して下さい。また、保険は重要です。最近の旅行保険の基本パッケージには盗難による保証がないものがあります。紛失、破損だけでなく、NYの旅行保険には盗難を加えてください。


そして、食べること
 おかしく聞こえるかもしれませんが、これは意外と大事なことなのです。疲れていたり、空腹だったり、お手洗いに行くのを忘れていたりすると、気持に余裕がなくて騙されやすく、つまらないミスをするものです。満腹にする必要はありませんが、精神的にも、体力的にも余裕のある状態にしておくことは、大切です。私はどの国に行っても、いつもまず座って、何か軽く食べ、貴重品や、地図など確認してから行動することにしていました。


あやしいものは避ける
 人間の勘というものはいつも正しいものです。何かおかしいなと思ったときは、すぐに引き返す、止める、NOと言う判断力、決断力を持ってください。旅での新しい出会いや、経験を求める気持ちはわかりますし、面倒くさいとか、相手に悪いとかいろいろ理由はあるかもしれません。でも、それこそが犯罪者が付け込む隙なのです。また、心から信じて騙された時は諦めがつき、まだ旅を楽しむことができますが、あやしいと思いながら騙された時は、後悔がつのって旅そのものが辛くなったりします。大人のあなたの勘が“あやしい”と警報を鳴らしている時は、それにちゃんと耳を傾けてください。

 ハーレムで襲われそうになり、緊張の果てに気がついたら阿波踊りを踊っていた。という人がいます。そうしたら、なんと彼を挟んでお金を巻き上げようとした黒人達が去って行ったそうです。また、地下鉄で犯罪者風の男に寄って来られた時に、ヤク中患者のふりをしてよだれをたらして演技して、難を逃れた人がいます。ホームレスに囲まれた時、ソプラノ歌手も真っ青の悲鳴で近所の窓ガラスを震わせて逃げた女性を知っています。でもどの人も、その時にはきっと「自分は何でこんな状況を作ってしまったんだろう。」という後悔ばかりがあったはずです。(私自身イランで強盗にピストルを見せられた時には、同じことを考えました。)

高名な武術家がNYに来られた時、「きっとどこに行かれても平気なのでしょうね。」と聞くと、「闘う怖さを知っているだけに平気ではありません。」と言われました。非常の際にどう対処するかではなく、むしろ危険な状況に自分を陥らせないことが最大の攻撃なのだそうです。
(2002/12/05)
 このコーナーではB&B-The One Hundred のオーナーのYOKOさんからのメールを掲載させて頂いています

▼ YOKO's Profile
ブルックリンにあるB&B、ザ・ワンハンドレッドのオーナー。アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパを旅した紀行画家。

▼ The One Hundred http://www.theonehundred.com/
100 Fort Greene Place, Brooklyn, NY11217
TEL 718.624.8313 FAX 718.624.1363

  



Brooklyn, NY11217 Vol.10
Text by YOKO

Copyright©2000-2002
H Beams Publishing Inc.
KOBE JAPAN