Siberia In Exile
  356 W.40th St. (bet. 8th&9th Ave.) ,NY 10019-6743
  TEL 1.212.333.4141
さいとーさん 関東  Posted by 27 November, 2001
Title 『サイベリアに行かずして、ダウンタウンの夜を語るなかれ。』
 Siberia in exile(シベリアに亡命?)という店の名前からして怪しげです。このお店は看板も出ていなければ、どこが入口かも分からず、初めて行くのには苦労しますがどうかたどり着いてください!
 PA(ポートオーソリティー)ターミナル南側の40Stを9Av方向へ、9Avに出る手前20Mくらいの所が356Wです。何の因果か、私が泊まったTimes SquareB&Rはこの建物の2Fにありました。
 宿泊初日から「何やらいい感じの曲が下の方から聞こえてくるではないか・・・・こりゃチェックだろう」
ということでお店に行ってみました。建物の1Fには3つ扉がありますが、実際の入口は一番左です。中に入ると、大柄で太っちょの気のいいグレイシーさん(何やらこの人が責任者らしいんですけど)が「ID見せて」と言ってきます。私は見てくれオヤジなので「Over30だけど・・」と言うとすんなり入れてくれました。所が、彼は私の耳元で「酔っ払ってレディーにからむなよ、あとここは商売女いないからな」などと囁くではありませんか・・・??グレイシーさんのその律儀な態度に感心することしきりでした。
 中は1Fがカウンターバーとソファーがいくつかあります。ジュークボックスから大音響で聞こえてくる音楽は、ほとんどが80年代のロックやポップス。私を含め30歳前後の人たちにはたまらないでしょう。フロアーも広く、大声で喋っている人たちや、お気に入りの曲で踊りだす人たち・・誰もが本当に明るく、楽しそうにおもいおもいの時間を過ごしている様子が印象的でした。壁に掛かっているパネル写真をよくみると、何とグレイシーさんと「ヒラリー夫人」が並んで映っているではないですか。彼に聞いてみると、ニヤリとして「噂を聞きつけてお忍びでやって来た」とのこと。その自慢げな表情が忘れられません。1Fの奥には$3で撮れるプリクラもどきのスピード写真がありますので、記念に一枚撮るのもお勧めです。
 そしてB1に階段で降りると、そこは屋根裏を連想させるこじんまりしたライブハウスでした。これがまた「夢を目指して・・」という若々しい雰囲気ではなく、みんなちょっと年行った感じで「大きな夢は叶わないかも知れないけれど、好きだからバンドで頑張っているのさ!」という印象を受けるバンドで、ひたむきに演奏する姿に同世代として心を打たれました。シャレたテーブルなどはなく、オーディエンスもドリンク片手に思い思いに曲に身を任せ踊ます。曲の合間にはリクエストも次々演奏していました。ここでも演奏するのは懐かしい曲ばかり、WWFからカルチャークラブ、シカゴもあればモータウンのメドレーありで、私の気持ちはいやがうえにも盛り上がりました。
 このお店は入場料を取らないばかりか、1ドリンクほとんどが$4.50と良心的でついつい飲みすぎてしまいますのでご注意を。ライブハウスもあり、得した気分になること間違いなしです。客層は、ほとんどが20代後半から30代くらいで、普通にダウンタウンで仕事をし、今を生きているNYerたちです。スタッフの方たちも、気さくで明るく、見かけの怪しさとはぜんぜん違う親しみを感じるお店でした。ガイドブックに出ているようなお店ももちろんいいですが、サイベリアのような「いかにも」NYCの日常を生きている普通の青年たちが、普通に飲み・喋り・笑い・歌い・踊っているような、こうしたお店に足を一歩踏み入れてみるのも、いや入れてみてこそ、旅をしている自分に新たな発見があると思うのです。年中無休で朝までやっています。ちょこっと寄って軽く飲むのもよし、ゆっくりまったりするもよし、仲間とワイワイ盛り上がるもよしです。私も次にNYCに行ける機会に是非また寄りたいと思います。もちろん着いたその日の夜に!


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