Vol.02 サブレットで行こう!


一人旅の味方、なのか!?
 さて、無事NYへ到着し、ハーレム生活がスタートしたわけだが、まずは私の宿泊先について触れておこう。そこは、ネットで知り合った日本人女性Nちゃんのアパート。彼女がお正月に帰国するので、その間お部屋をお借りするという、いわゆるサブレットというやつだ。私の旅の予定は23泊。宿泊費だけを考えてみても、ホテル代が一泊100ドル以上なんてとんでもない!

 で、考え抜いて出した結果が1泊30ドルのサブレット、その場所がハーレム135丁目だったというわけ。出発前、まわりの友達は「ハーレムって怖いところじゃなかった?」だの「知らない人の部屋に泊まるなんて、めっちゃチャレンジャー!」だの「生きて帰って来いよぉ〜」などと、暖かくも不安感をあおる(笑)数々のエールを送ってくれていたのだが、ふたを開けてみれば、ハーレムもサブレットも不安吹っ飛ぶ快適さ。部屋の主、Nちゃんの話では、3つあるゲストルームとNちゃんのお部屋を解放したということで、私の滞在中、彼女のお友達やルームメイトを含めると、最大5人の日本人女子がここに寝泊りしていたのだから、なんだかすごい。でも、いろんなお店や食べ物の情報交換もしたし、ご飯もシェアした。それを思うと、サブレットは家主にも旅行者にもお得で、さらに一人旅で陥りがちな心細さまでも拭い去る、最適なスタイルなのかもしれない。

「そりゃないよ!」 にならないために
 とはいえサブレットの良くない話もたくさんある。「予定外の金額を請求された!」、「家主のおやじにお風呂をのぞかれた」、はては家主の男性に「晩御飯を買って来い」といわれ、「私はあなたのメイドでも嫁でもありません!!」というと「じゃあ出て行け!」と、夜中の1時に放り出されたというめちゃくちゃ理不尽な話も聞くので、これからサブレットにトライする方、問い合わせメールや電話のやり取りの間に、家主はどんな人なのかをじっくり観察してください。法外な値段を提示してないか、レスポンスは早いかどうか、人間的に信じられるかどうか、その場所のことを先に調べてみるとか。そして、少しでも「?」という感覚があれば、やめたほうが無難。サブレットはひとつの宿泊手段というだけの話であって、その方法がベストというわけではないし、なによりホテルと違って、他人の生活圏におじゃまするわけである。お互いが心地良くなければ、意味なし! 自分のシックスセンス(第六感)を信じて、どこにおじゃまするかよ〜く考えよう!!な〜んてえらそうなこといって、サブレットは私も今回が初めての体験。「安全はお金で買え!」といわれるニューヨークだが、ここはひとつ、いちかばちかの勝負に出てみた私なのである。

宿泊先は築100年!?
 というわけで、私のサブレット成功物語(笑)の舞台となったこのアパートは、なんと100年以上前に建てられた、かなりがんばっちゃってる建物で、入り口には重い大きな扉がで〜ん。その内側には、これまた扉があり、どちらの扉にも鍵がかけられていた。中に入ると、幅1m半位しかない階段がオレンジ色の明かりにぼんやり照らされている。しかもその階段、2階までが石造り、そこから上は木造というレトロさ。空港からここに到着したのは夜10時、しかも生活感満点なアパートへの初めての潜入だっただけに、「おいおい、ここで23泊!? アンティークにもほどがあるやん!」とある意味カルチャーショックを受けたのであった。

 ちなみに、私が滞在したのは3階。耳を澄ますと、住人はどんな時間であろうとも、大声でおしゃべりしながら階段を上がってくるし、子供達はどっちが早く上れるか!!のカケッコ運動会。階段で繰り広げられるさまざまなドラマが、部屋にいるだけで、手に取るようにわかる。さらに外出時、狭い階段で住人と鉢合わせすれば、自然と笑顔で挨拶を交わすようにもなってくる。この階段は、私がハーレムのリアルライフに触れた初めての場所であり、ハーレムの人々の懐へ飛び込む最初のステップを踏み出した場所でもあったのだ。

 しかし、帰国する日、荷物ではちきれそうなスーツケースの重さで、この階段を転げ落ちそうになる私・・・。懐に飛び込むどころか、ハーレムホスピタルのベッドへまっしぐら!になるところだった・・・。大家さん、エレベーターつけてください、お願いします(涙)。

  




あっぱれハーレム、へっちゃらNY! Vol.02
Text by Noriko
Copyright©2000-2002
H Beams Publishing Inc.
KOBE JAPAN