#02 リトル・イタリーの巻 その1


 はじめてNYに行くことになったときには、NYに興味がなかったものだからガイドブックの洗礼を受けなかったPIYOKOですが、「じゃぁガイドブックは買わなかったの?」といえばそんなことはありません。1冊だけ買ったそれはビジュアル重視の、しかも掲載されている店のセレクトに統一を感じさせる本。旅行雑誌じゃない雑誌が連載や特集を組んだ際の資料を二次利用して作っている「ムック本」というものが得てして刊行されるものなのですが、ワタシが手にしたガイドブックもこれに当てはまるものです。

 今ではすっかりNYにハマってしまったから、手当たり次第にガイドブックを購入しちゃったけど、私にとっては今でも最初に買ったこのガイドブックは別格です。 200ページ(オールカラー)しかない本の1/3以上を食のことに費やしてある、コレにつきます!(キッパリ) 出発前、このガイドブックを開いてわたし達はNYの食事情に目がキラキラしたのは言うまでもありません。まぁそれほどまでにPIYOKO一味は食に対して執着が強いわけなんです。

リトルイタリー地区のレストランテ。Da Nico。 そんなPIYOKOがNYではじめてに口にした食べ物はイタリアンでした。 ワタシの泊まったホテルからなんと歩いて3〜4ブロックという場所にリトルイタリー地区があったからなのです。最初にガイドブックでホテル近辺にリトルイタリーを見つけたときは小躍りしました。

 「万が一夜は治安が悪くて遠くまで歩けなくってもリトルイタリーがあるじゃない!チャイナタウンだって近いしこれはウレシイ!!」 どんなに食べ物がまずい地域でも、イタリアンとチャイニーズは外さない、というのは今までの(数少ない)海外旅行経験からしっかり「定義」されてます(笑)。

 まぁ実際に現地に着いてみると、地図上ではリトルイタリー地区のはずの場所も実際にはチャイナタウンが浸食していて、建物の看板などには漢字がこれでもか〜、と並んでいるありさまですが、これもマンハッタンのスピードを象徴している「様」です。今の「リトルイタリー」が機能しているのは、もはやHester St.とMulberry St.周辺だけなので「地区」とつけるにはちょっと大げさな感じもします。

 そんなリトルイタリーには数十件のイタリア料理屋がひしめいています。わたし達は飛行機を降りたばかりの時差ぼけ状態で、あまり得意でない(つーか不得意)英語を駆使して店の違いを読みとるという芸当はとてもできず、フィーリングだけでその中の一軒を選ぶという暴挙にでました。

 店内はリトルイタリーと言うだけあって、メニューも英語とイタリア語の両方で書かれていたり、店員も明らかにイタリア男にしか見えない濃〜い顔立ちの人しかいません。そしてそのイタリア顔した店員達の半分は、な、なんと英語が喋れない〜! わたし達の隣空いた席の片付けをしていたウエイターにもオーダーをお願いしたら 「ごめん、オレは英語が喋れないんだ」 とコレまたコッテコテのイタリア訛りのつたない英語……。

イーストビレッジのCaliente  カジュアルなイタリア料理は取り分けすることも珍しいことではないと思っていたんですが、イタリア人ウエイターは「取り分けするの〜?それなら前菜の盛り合わせをとりわけしてあげるよ〜」かなりうれしそうにニヤニヤ。あとで聞けば、アメリカ人は取り分け(シェア)して食べるという食習慣がないそうなのです。どうしてー?ちょっとづついろいろな味が楽しめるメリットがあると思うんですが、やはり彼らは日本人に比べて大食漢だからなんでしょうか。

 メニューのほうは、あたりまえのことですが、かなり本格的なイタリアンのメニューで、日本のイタリアン・レストランでは滅多にお目にかかることのできない「カッペリーニ」という細麺のパスタや、本格的な前菜の盛り合わせ、ロブスターソースのメイン料理などなどドッサリと頼んでひとりあたり25ドル。特にプロシュート(イタリア生ハム)は絶品!今まで食べてきた生ハムはすべてニセモノ〜、と思ってしまうぐらいウットリしたプロシュートを堪能させていただきました。フィーリングだけで選んだ店がたまたま吉と出たのか、リトルイタリー全体のアベレージ(平均点)が高いのか、それは今後の調査をお待ちください。 (ちなみにPIYOKO一味が食事をした店は、Hester St.にある緑のテーブルクロスと白のランチョンがテーブルにかけられている店です。店名は残念ながらわかりません)

 後日、NY在住日本人とお話しする機会に恵まれました。 彼らニューヨーカーにとって「リトルイタリー」とは、ただの観光地であり、友達と食事に行くカジュアルな店でもなければ、彼女とのデートに使うロマンチックな店でもないそうです。 今となっては「観光」というところでギリギリ成り立つしか道が残されていない、そこにもリトルイタリー衰退に拍車をかける原因があるのでしょう。


  

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