#05 デリとグロッサリー(総菜文化)


 PIYOKO一味はNY滞在中、何度もデリやグロッサリーのお世話になります。NYに到着していつも最初に買うものは、デリやグロッサリーで売っている、半透明プラスチックの入れ物に入った生オレンジジュース。飛行機内で乾燥した空気でやられた喉にコレを流し込みます。日本で売ってる100%オレンジジュースとは風味が違う!
 日本のそれは果汁還元モノなのに対し、NYデリで売っているそれはストレート果汁なので、味には歴然とした差があります(デリによっては夜中に従業員が一所懸命手絞りして入れ物に詰めています。おいしいはずですね)。

 基本的にグロッサリーというのは、24時間営業している食料品や生活雑貨を売っている店を指します。食料品は果物、生野菜やアイスクリーム、菓子、ジュース、酒(これは店によりますが、大抵置いてあります)などがあり、弁当やお総菜の販売がないコンビニのようなものです。

 一方デリのほうは、デリカテッセン=お総菜という意味です。 上記の食料品(または特化された専門の食材)とお総菜が売られている店は「デリ」と呼ばれます。出来あがった状態のお総菜を客が必要な分量だけお持ち帰りできるというシステムは、共働き夫婦やシングルマザーが多いニューヨークで必然と受け入れられるものだったのでしょう。
 本来ニューヨークの「デリ」というのは、ユダヤ人の食べ物であった「コーシャス・デリ」を指すほどポピュラーなデリだったわけですが、現在では「その当時のデリ」からは逸脱した方針の店も立派に「デリ」と扱われています。
サラダ・バー 一番目に付くタイプとしては、グロッサリーにセルフサービス方式のサラダ・バーなどを兼ね備えた、いわば簡易タイプのもの。このタイプはオフィスの多いミッドタウンに特に多いようです。サラダ・バーと言っても、その総菜の種類は「サラダ」というジャンルにとどめておくにはもったいないほど多岐に渡っています。一例を挙げてみると、グラタン、寿司、魚のソテー、肉とポテトの料理、チャーハンなどなど、ヘビーな料理もサラダ・バーの総菜として扱われています。その数20〜30種類以上(日曜日はサラダバーが中止になるか、種類が極端に少ないので注意)あって、どれをチョイスしても、重さに比例する一律料金(1ポンド4.75$の店が多かったようです)となっています。値段の割に味も良いので、一人で旅行をされている方や、ちょっとだけいろいろ食べたい人にはオススメ。
 この形態の店は、ほぼ韓国人の資本によるものです。韓国人のデリやグロッサリーは非常に評判がよく、マンハッタンのあちこちで見かけることができます。その特徴としては、「入り口に生花が飾り売られている」「果物が美しくディスプレイされている」「24時間営業」「サラダバーの種類も豊富」といったところでしょう。サラダバーの総菜は20〜30種類以上と非常に多くの種類があります。これだけを毎日作るためには、かなりの労働力が必要になります。彼らは彼らの人脈を使い(たいがい血族のネットワークだったりするとのことですが)、大人数であれだけの種類の総菜を作っているのだとか。
 韓国人経営だからといって、キムチやビビンバは置いてありません(ナムルはある時もありました)。サラダ・バーのほかに「ラップ」と呼ばれるソフト・タコスの皮で野菜や肉を巻いてある食べ物や、寿司(巻物オンリー)もパック容器に詰められて売られています。こちらもとてもおいしいのでオススメ。店によってはジュース・スタンドやベーグル・サンドを作ってくれるコーナーも併設していたりします。いくつもある韓国人経営のデリですが、個性は意外とありますね。

 また、「総菜のケータリング(宅配)のみの扱いだったのに、味が好評で手を広げ、店を構えたデリ」もあります。韓国人経営のデリに比べ、味にこだわりがあり、なおかつ値段も高く、種類も豊富。販売方式は対面式。買う気がないと店にはいることができない空気感があるので、そういう意味ではチョット敷居が高く感じます。

Balduicci's そのほかには高級食材店があります。Dean&DelucaやZaber's、バルドゥッチィズ、などがこの形態に当てはまります。食材、調理用品なども売りつつ、高級総菜も常時販売している形態の店です。ケータリング発展系のデリよりも当然ながら種類が豊富です。対面式販売のものと、あらかじめパック詰めされている両方を売っています。店の感じを例えるなら、東京青山の紀ノ国屋のような感じだと思ってください。ただし日本の紀ノ国屋よりもカジュアルで居心地は満点。PIYOKOはDean&Delucaに行くと、時間を忘れてレアな食べ物を探してしまいます。

 さて、それではデリ利用をしてみましょう。対面販売方式のデリだと、それぞれの総菜には値段が書かれているプレートがありあます。これは1ポンドでの値段(ポンドは「LB」と記載されることもあるので驚かないようにね)。200グラム前後の日本人感覚の量で総菜が欲しいときには、係の人にクォーター・ポンド(1/4ポンド)で下さい、とお願いしましょう。生ハム(「プロシュート」=イタリア産とか、奮発して「ハモン・セラーノ」=スペイン産がオススメです)やロースト・ビーフなどをスライスしてもらうときは、ポンド単位で頼んでもいいし、「6スライスぶんをちょうだい」とスライスする数字を指定してお願いしてもOKです。
 韓国人経営デリにあるサラダ・バーの場合は、セルフ・サービスなのでもっと簡単です。サラダバーの近くにある容器を手に取り、好きなモノを好きなだけ取る、それだけです。値段は総菜の種類にかかわらず、重さに比例する料金設定になっています(1ポンド$4.75ぐらいが相場)。ですから肉とジャガイモが等価に扱われたりするわけです(笑)。
 レジの近くにはプラスチック製スプーン、フォーク、ナイフ、それからナプキンが置いてあります。外やホテルで食べるときには忘れずにいただき、利用しましょう。公園のベンチでリスを眺めながら、デリの総菜を食べるのもなかなかオツなものです。


 

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