Vol.03 チャイナタウンでDon't miss it! 外伝


 NYはテレビッ子の私には嬉しい街。毎朝7時とか8時から11時頃まで日本でも何度も再放送されている人気ドラマもやってます。それをさんざん見てからお昼近くなってやっと出かける支度をするのです。それにしても大草原の小さな家を見た後はさっきとは別人の様に生まれ変った私がいる。子どもの頃から見続けてストーリーも完璧にわかってるくせにそれでも毎回感動の涙がうるうる。いっそブラウン管の前で正座したいくらい。ああ、こんなんじゃいけない。自然に帰れと言ったのはエミール・ルソーだったかしら。家族を、友達を、心の絆を大切にしよう。人生にはお金なんかよりずっと大切なものがある。これまで自分がそうと知らずに犯してきた数々の罪を今日こそつぐないたい・・・なんて。

 そんなわけで11時半過ぎに部屋を出て、ミッドタウンから地下鉄であっという間にチャイナタウンにワープして、オイシー思いして、でも今日はこれから。Canal St.沿いのお店はどうもジャンクな物ばかり売ってる。洋服にしろ何にしろ,目に付くのはひらひらした光り物。一つ一つのお店は敷地面積が狭いので品物は問答無用とばかりに吊るしてる。安っぽいハンガーに吊るしてあるベルサーチのジーンズは何と$10。道端で売ってるビデオテープはやたらScary Movies. あらら、GAPじゃなくってCAP? You really GAP me! でもそんなところがかえって楽しいんですよね。偽物とわかっていながらつい足を止めてみる。

 やっと吊るし物がないお店を見っけ。店内の品物は80%がCDとカセットテープ。せっかくはいったお店なら手ぶらで出てくるのも忍びない。恐い物みたさにひとつテープでも買ってみようかな。テレサ・テン、キム・ヨンジャ、ケー・ウンスク、チョー・ヨンピル、ビビアン・スー。ちょっと違うかしら。とにかく誰かしらあるだろう。歌手名が全部漢字で書いてあってさっぱりわからないけどやっと探し当てた見覚えのある笑顔。かなり若い頃写した愛くるしいこの顔は きっと彼女にちがいない。手に入れたのはケ麗君名曲選Vol.1と2。 ケ麗君って実はアジアの歌姫・テレサ・テンなんです。麗しの君なんていかにも広く愛され若くしてこの世を去ってもなお人気の彼女らしいですよね。全部中国語の歌ですが、後でパッケージを開封したら中の歌詞カードにおなじみの日本人作曲家・作詞家名もありました。それにしてもVol.1にある愛像一首歌にはシホたかンって一体誰なんでしょう。文字化けではありません。確かにかたかなとひらがなの表記でシホたかンってあるのです。ミスプリだとは思いますが今でも謎です。

 テレサ四部作ともいうべきつぐない・愛人・時の流れに身を任せ・別れの予感。この4曲はいずれのテープにも録音されてませんでした。でもたった1曲だけ聞き覚えのあるが!何と歌っているのかさっぱりわかりませんがタイトルは「世界多美麗」。It's a beautiful world.って意味でしょうか。歌詞カードによると日本語の歌詞とはあまり関係ないような気がします。テープと一緒に自分だけ日本語で歌っちゃいました。♪ふ〜たりのたっめ〜、せ〜かいはあるっの〜。(もしカセットのA面とB面を間違えていたら違う曲です。ごめんなさい。)アジアを旅行した方ならこんな経験はありふれてるかもしれませんが 私には見っけモノカセット。別に彼女のすごいファンというわけではありませんが、 こういうのを勢いで買ってしまうところが海外旅行の恐さですね。(爆)振り返ってみれば今までいくつもの勢いミヤゲを買ってしまった事か。

 今日も行動範囲は広い広い。地下鉄でミッドタウンに戻ってきた後はあちこちぷらぷらして早くも4時。そろそろエナジー・チャージしたい。かつて全く同じ状況で日本料理屋が目の前に現れたように、またしても運良く現れたのがカフェ・ヨーロッパ。アヴェニューとストリートのちょうど角にあるそのお店は重厚な外観とスモークガラスがその名の通りヨーロッパっぽい。ひとつマロニエの木でもほしいところです。ここなら時間を気にせずゆっくりお茶できそう。静かでスノッブな雰囲気に押されながらも注文したのはアイス・カフェラッテとベリーズ&クリーム。直径10センチくらいの白いボールに甘さ控えめのふわふわホイップクリーム。但し惜しいことにちょっと生ぬかったです。ベリーズとはストロベリー、ラズベリー、クランベリー、ブルーベリーなど○○ベリーとつくものなら何でもあれ。お勘定は、たっ高い!! $11。チャイナタウンのお昼ごはんはたったの$3.45(+チップ)で済んだのに。2倍以上の開きは場所代と雰囲気代とみた。

 New York, 2001. 私にとって今も変わらないNYがあって、新しいNYにも出会えました。そしてもう二度と会えないNYも。ここでは別に特別なことをするわけじゃない。かっこつけた言い方だけど暮らすようにしてみたい。だからと言って一旗あげて故郷に錦を飾ろうなんて野心があるわけでもない。どこにでもいる平々凡々な日本人観光客の一人だけど、泪が出るくらいNYが好きで、ただそれだけのこと。待っててね、
新しいNY。私、もうすぐ帰るね。




 Yes, I feel NY ! Vol.03
by
Scully

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