この街はまず北へ北へ広がっていった。
そして、ある時をさかいに天に向かって垂直に伸びっていった。
何かに見せられたように、人々はこの小さな島で高さを競い合った。
人類史上、類を見ない垂直の街、それがマンハッタンだ。

1794 St. Paul's Chapel Bonded by Broadway,Fulton,Church&Vesey Sts
 61m
この時代にマンハッタンに高くそびえるものといえば、ブロードウェイの南に建つSt. Paul's Chapel礼拝堂の塔であった。設計トーマス・マックビーン。
1846 Trinity Church Broadway at Wall St.
 87m
ニューヨーク最古の教会。現存している建物は建築家リチャード・アップジョンの手によって建てられたゴジック・リヴァイヴァル・スタイルの初期の例。建設後10年間、ニューヨークで一番の高さを誇った。
1886 Statue of Liberty  Liberty Island
  33.86m・225t
フランス・アメリカの友好とアメリカの独立100周年を記念してフランスから寄贈された。
1892 Pulitzer Building 
 94m
ここまでマンハッタンで高く建つものといったら教会だった。ピュリッツアー・ビルディングは民間で初めてNO.1の位置を奪った。設計ジョージ・B・ポスト。
1899 Park Row Building
1902 Flatiron Building 949 Broadway with 5th Ave.&23rd St.
 95m
旧フラー・ビル。設計ダニエル・H・バーナム設計事務所
1905 Wall Street 90
1908 Singer Tower 561 Broadway 88 Prince St.
 160m
これまでの高さの記録を一挙に倍近くにした。1970年に取り壊され残念ながら現存していない。 設計アーネスト・フラッグ
1909 Metropolitan Life Insurance Co. Madison Ave. & 24th St.
  213m
ヴェニスのサン・マルコ広場にある鐘楼を模倣して作られた。設計ナポレオン・ル・ブラン&サンズ。
1913 Woolworth Building 233 Broadway btwn. Park Place & Barclay St.
  241m
 フランク・ウールワースが1350万ドルをつぎ込んで建てたこのビルはゴジック様式の傑作といわれ、聖職者のS.パーカー.キャドマンハッタンによって「商業の大聖堂」と呼ばれた。建築費はウールワース社によってキャッシュで支払われた。1930年にクライスラー・ビルディングが建てられるまでは世界一の高さを誇っていた。設計キャス・ギルバート。
1929 Chanin Building 122 E.42nd St. SW Corner Lexington Ave.
  207m・56階
高さこそ207mと及ばぬものの、その56階という階数はすでにウールワース・ビルディングを凌駕していた。設計スローン&ロバートソン。
1929 40 Wall Street Building  Wall St. btwn William&Nassau Sts.
  282m
1930 Chrysler Building 405 Lexington Ave.,NE Corner 42nd St.
  319m・77階
 設計当初は77階・282mの高さだったが、マンハッタン・カンパニー銀行の本店となるウォール街40番地のビルディングがそれよりわずか60cm高くなる事がわかると、設計士のウイリアム・バン・アレンはひそかに頂部の尖塔の製作を考えた。そして、ウォール街40番地ビルディングの竣工を確認すると、ひそかに製作していた尖塔を取り付けクライスラービルディングは世界一となった。しかし、その世界一の座は早くも翌年、エンパイア・ステート・ビルディングに奪われてしまうのだった。
1931 General Electric Building 570 Lexington Ave.,SW Corner 51st St.
 
旧RCAビクター・ビル。ゴジックのモチーフを用いつつ、電波をイメージさせるようなビルの先は、当時普及し始めたラジオの電波を象徴したもの。設計クロス&クロス。
1931 Empire State Building 350 5th Ave. btwn 32nd&34th Sts.
  381m・102階
1929年におきた大恐慌は未曾有の大不況を引き起こし、街に失業者をあふれかえらせ、とても超高層ビルの建設どころではなかった。むろん建設の中止も真剣に検討されたが、すでにこの敷地に建っていたウォルドルフ・アストリアの解体が始まっていたことと、ビルの建設の中止が社会に与える心理的影響を考えやむなく建設されたのだった。いまやニューヨークの顔とも呼ばれるエンパイア・ステート・ビルディングだが、竣工当初はテナントが入らずエンプティー・ビルディングといわれていた。
設計シュリーヴ・ラム&ハーモン
1970 World Trade Center Building Vesey&Liverty Sts, Btwn. Church&West
   441m
 WTCよ永遠に!
1977 Citycorp Building Lexington Ave., btwn 53rd & 54th Sts.
  279m・46階
4本の大きな柱で上部を支えるという構造や、スパット切り落とされたようなビルの頂部など斬新なデザインが話題を呼んだ。設計は後に横浜のランドマークタワーの基本デザインを行ったヒュー・スタビンズ。

40m 20m 1ft=30.48cm

参考図書 「The Skyscrapers/Paul Goldberger」